考えるvenddeglove#10 MACIF マシフ保険企業
フランスの保険会社「MACIF(マシフ)」について、少し考えてみたいと思います。 MACIFはフランスの総合保険会社です。 ところが、この会社について調べてみると、なかなか面白い。 「相互経営?」 はてな?ですよね。 日本でよく見る株式会社とは、少し仕組みが違います。 MACIFには、会社の利益を受け取る一般的な意味での「株主」がいません。保険契約者を中心とした相互組織で、会員が代表者を選び、その代表者を通して会社の運営に参加する仕組みになっています。 簡単に言えば、 「保険に入っている人たちが主役の保険会社」 と考えると、わかりやすいかもしれません。 ここで自分が面白いと思ったのが、 なぜ、そんな保険会社が莫大なお金のかかる外洋ヨットレースに投資するのか? ということです。 MACIFという名前を外洋ヨットレースが好きな人なら、一度は聞いたことがあると思います。 Vendée Globeをはじめ、フランスの外洋レースの世界でMACIFは非常に大きな存在です。 では、なぜ保険会社がヨットなのか? 自分なりに考えると、やはり一つは広告としての費用対効果だと思います。 Vendée Globeで勝てば、「MACIF」という名前がフランス中を駆け巡る。 テレビ、新聞、インターネット、港のイベント――。 普通の広告を大量に出すよりも、はるかに強い物語と一緒に企業名が人々の記憶に残ります。 そして、ここからが自分には一番面白いところです。 なぜフランスでは、それほどヨットレースに広告価値があるのか? そこにはフランス独特のスポーツ文化があるように思います。 サッカーがあり、ツール・ド・フランスがあり、ル・マンがあり、F1があり、そして外洋ヨットレースがある。 それぞれに、それぞれの文化とファンがいる。 また昔話になります。 自分がフランスにいたころ、パリの地下鉄に乗っていると、向かいに座った老紳士が新聞を広げていました。 その新聞の一面に大きく載っていたのが、外洋レースを走るヨットの写真でした。 その光景を、今でも忘れません。 街のキオスクに並ぶ新聞を見ても、ヨットレースの扱いは非常に大きかった。 日本で野球が大きく報道されるように、フランスでは外洋ヨットレースが普通の人々の生活の中に入っている。 だからこそMACIFのような企業が、ヨットレースに大きなお金を投じる意味がある...