電気 IT〜AI
便利な社会の呪縛
またまた昔話から始まります。
20代、30代のころ、私には老後の人生設計がありました。
山と海のあるところに住み、電気を使わず、自給自足の生活をすることです。
当時の私は、自給自足の一つの基準は「電気を使わずに暮らせるかどうか」だと考えていました。
山で山菜を採り、小さなボートで海に出て魚を釣る。
自然の恵みをいただきながら、のんびり生きていく。
そんな老後を目指していました。
ところが、現実はずいぶん違うものですね。(笑)
ITとの出会い
1995年ごろだったでしょうか。
私はパソコンを使い始めました。
まだYahoo!が一般に広まる前の時代です。
なぜパソコンを始めたのか。
世界最高峰のヨットレースといわれる「アメリカズカップ」の情報が見たかったからです。
当時はオーストラリアで開催されていたわけではありませんが、オーストラリアのセーリング情報など、海外の情報を手に入れることに夢中でした。
マニュアル本を片手に、必死になってパソコンと格闘していました。
今のように電源を入れれば何でもできる時代ではありません。
OSがまともに動くかどうかも怪しい。
インターネットにつなぐだけでも一苦労。
それでも、遠い外国の情報が自宅で見られることに感動した記憶があります。
その後、Windows 98の時代になり、パソコンは大きく進化しました。
Yahoo!からGoogleへ。
知りたいことは、ほとんどインターネットで調べられる時代になりました。
そしてiPhoneの登場。
初期のiPhoneは、今でも自宅だったか、セカンドハウスだったか、どこかに眠っているはずです。
そして現代はAIの時代です。
AIの進歩は、もはや開発者たちでさえ、そのすべてを思いどおりに制御できるのか、疑問に感じるほどの勢いです。
便利な時代になりました。
しかし、本当に便利になったのでしょうか。
便利な社会の呪縛
ここで少し仕事の話です。
ある大手ポンプメーカーに、7月に発注したポンプがあります。
ところが、3か月たっても出荷できない。
システムの異常が原因らしいのですが、詳しい事情はわかりません。
ランサムウェアなどのサイバー攻撃なのか、それとも別のトラブルなのか。
公表されていないことを勝手に決めつけるわけにはいきません。
ただ、この会社には以前から少々ストレスを感じていました。
朝9時にならなければ電話がつながらない。
夕方5時を過ぎると電話に出ない。
おいおい、ポンプ屋さんでしょう!
現場は朝8時から動いているんですよ。
それに、ポンプは夕方5時を過ぎたら壊れないとでも思っているのでしょうか。(笑)
もちろん、社員の勤務時間や労働環境を守ることは大切です。
しかし、生活に欠かせない設備を扱う会社なら、緊急時の連絡体制ぐらい考えてもよいのではないでしょうか。
そして今回のシステムトラブルです。
3か月も出荷できない?
手書きでできないのでしょうか。
2000年ごろまでは、今ほど業務のデジタル化が進んでいなかったはずです。
高額商品や緊急性の高い商品だけでも、仮伝票を作って出荷する。
受注、発注、納品、請求。
もちろん在庫管理や安全確認なども必要ですが、最低限の業務を人間の手で動かす方法はないのでしょうか。
便利なシステムを作ったはずが、そのシステムが止まると人間も仕事ができなくなる。
これでは、人間がシステムを使っているのか、システムに人間が使われているのかわかりません。
これが「便利な社会の呪縛」ではないでしょうか。
私の会社のIT事情
さて、私の会社はどうでしょう。
メインのパソコンはWindows 8だったか、それに近い古いものです。
正直、バージョンなんてどうでもいい。(笑)
インターネットには接続していません。
使うのはExcelでの見積書と請求書の作成ぐらいです。
手書きでもよいのですが、私の字はお世辞にも達筆とはいえません。
だから、きちんと印刷してお客様にお渡ししています。
要するに、ワープロと表計算ができれば十分なのです。
会計ソフトについては、会計事務所との兼ね合いがあります。
そこで、ジャパネットたかたで購入したNECのWindowsパソコンを使っています。
こちらも普段はネットにつながず、会計データはパソコンを会計事務所に持参して管理してもらっています。
実にアナログなデジタル生活です。(笑)
IT社会と安全保障
日本中の会社がMicrosoftのOSやソフトを使うようになったころから、私は少し危機感を持っていました。
便利なのはわかります。
しかし、みんなが同じ仕組みに依存してしまって大丈夫なのでしょうか。
以前、Winny(ウィニー)という日本人が開発したファイル共有ソフトがありました。
あれはOSではありませんが、日本独自の技術やネットワークのあり方について考えたこともありました。
もちろん、日本だけで閉じたネットワークを作れば安全という単純な話ではありません。
ただ、海外の技術や巨大企業に頼りきりになることには、今でも疑問があります。
そしてAIの時代です。
AIは素晴らしい技術です。
私自身、こうしてAIと一緒にブログを書いているのですから、その便利さは十分に感じています。
しかし、善人が使う技術は、悪人も使います。
サイバー攻撃も、詐欺も、AIによってますます巧妙になるかもしれません。
日本は平和な国です。
しかし、世界を見れば、プーチン大統領のロシアは戦争を続けています。
国家間の争いは、ミサイルや戦車だけではありません。
電気、通信、金融、物流。
社会の仕組みそのものが攻撃の対象になる時代です。
便利さばかり追いかけて、少し平和ボケしているのではないでしょうか。
そして、もう一度、自給自足へ
若いころ、電気を使わずに暮らしたいと考えていた私が、今ではパソコンを使い、スマートフォンを持ち、AIと会話しています。
なんとも矛盾した人生です。(笑)
しかし、最近になって思うのです。
自給自足とは、何も山菜を採り、魚を釣ることだけではないのかもしれません。
便利なものを使いながらも、それに支配されず、自分の意思で生きられること。
電気が止まっても、インターネットがつながらなくても、人間は考え、工夫し、生きていける。
そんな力を失わないことも、一つの自給自足ではないでしょうか。
AIに助けてもらいながら、AIに人生を任せない。
便利さを知り、不便さも知る。
これもまた、私の好きな「いい加減」、つまり加減を知るということなのかもしれません。
長くなりましたので、この辺にしておきます。
またまた昔話でした。