The Ocean Race Atlantic フランス人 ポール メイヤー


レーザー乗りのポール・メイヤ ― 古い船で新艇を追う
The Ocean Race Atlantic。
マリジアをぬいて、現在1位を走っているのが、United by the Oceanを駆るフランス人スキッパー、**ポール・メイヤ(Paul Meilhat)**です。
今回、自分が少し気になっているセーラーでもあります。
というのも、ポールは若いころレーザーに乗り、2000年にはフランスのジュニア選手権で優勝。その後、外洋レースの世界へ進み、Figaro、IMOCAと、フランス外洋セーラーの王道を歩いてきました。
自分も若いころレーザーに乗り、その後、大西洋を渡りました。
もちろんレベルはまったく違いますが(笑)、レーザーから外洋へという経歴を見ると、なんとなく親しみが湧き、昔レーザーに乗っていたころを思い出します。
レーザーはワンデザインです。
船の性能差がほとんどないので、風を読み、船をフラットに保ち、少しでも艇速を落とさない。ほんの少しのシートや身体の使い方が、そのまま順位になって現れます。
そんな経験を持つポールのすごさを象徴するのが、2018年のRoute du Rhumでしょう。
当時乗っていたSMAはフォイルを持たないIMOCAでした。それでも最新フォイラー勢を相手にIMOCAクラスで優勝しています。
つまりポールは、単純に「速い船に乗れば速い」というセーラーではない。
風を読み、コースを選び、船を止めずに走らせることが非常に上手いセーラーなのだと思います。
その後も2021年IMOCAチャンピオン、2023年The Ocean Race総合4位、2024–25 Vendée Globeでは5位。そして2025年The Ocean Race Europeでは総合優勝。
今回乗っているUnited by the Oceanは、2022年進水のVerdier設計艇。すでに4年ほど経った船です。
対するTeam MaliziaやDMG MORIは、2026年に登場したばかりの新艇。
数十億円規模の最新プロジェクトが投入される世界で、4年前の船が現在2位を走っている。
ここがヨットレースの面白いところです。
しかもUnitedは、ポールが長年乗り込み、癖も速いところも遅いところも知っている船。
自分は今回、United by the Oceanは十分に優勝候補だと思っています。
最高速度だけなら新艇のほうが速いかもしれません。
しかし大西洋横断は、瞬間的に30ノットを出した船が勝つのではなく、風を読み、正しいコースを選び、できるだけ艇速を落とさず走り続けた船が最後に前へ出る。
小さなレーザーでも、18メートルのIMOCAでも、その基本は案外変わらないのかもしれません。
レーザー乗りのポール・メイヤ。
昔レーザーに乗っていた自分としては、ちょっと応援したくなるセーラーです。

このブログの人気の投稿

ラビ ヒレルの格言

円相

③ ヨットの守破離