自作茶室 乏しいお茶でいい

春のことです。
仕事の途中、少し時間が空いたので、佐倉城址公園にある茶室 三逕亭(さんけいてい) へ、一服のお茶をいただきに寄りました。
三逕亭という名前は、陶淵明の『帰去来の辞』にある、
「三逕就荒 松菊猶存」
(三逕は荒に就けども、松菊なお存す)
という言葉に由来するそうです。
三つの小径は荒れてしまっても、松と菊は変わらずそこにある。
なんとなく、侘び茶にも通じるような言葉ですね。
三逕亭は、京都・大徳寺の塔頭、孤篷庵の茶室「忘筌」を模した茶室で、昭和58年に東京の乃木神社から佐倉へ移築されたものだそうです。�
さくら市公式サイト
その日、私が気になったのは、立派な茶道具ではありませんでした。
庭に置いてあった、細長い木のテーブルと椅子です。
「これは使えるかもしれない」
そう思って、スマホで写真を一枚撮っておきました。
今、自分で造っている草庵茶室は、立礼式の茶室にするつもりです。
まだ完成は先ですが、客用のテーブルだけは、どうしてもイメージが湧きませんでした。
ところが先日、スマホの写真を見返していて、この三逕亭のテーブルを思い出しました。
「ああ、これでいいじゃないか」
立礼といえば、裏千家11代玄々斎が明治初期に考案した新しい茶の形です。
考えてみれば、立礼そのものが、昔から決まっていた茶ではありません。時代や暮らしに合わせて生まれた、新しい茶の形だったわけです。
本当を言えば、私も畳の茶室は好きです。
四畳半に畳を敷き、炉を切る。
しかし、安く造ったとしても、それなりのお金がかかります。
だったら、無理をして立派な茶室を造らなくてもいい。
「乏しい茶」でいいのではないか。😛
そもそも、この建物は最初から茶室として考えたものではありません。
鴨長明の『方丈記』に出てくる草庵を真似て、小さな庵を造ってみようと思ったのが始まりでした。
炉ではなく囲炉裏を作って、鍋を囲んだり、炉端焼きをしたり。
そんな場所をイメージしていました。
それがいつの間にか、茶室になってきました。
ここからは、得意の**「無策の策」**です。
決まり事を先に作らない。
立派な茶室を真似する必要もない。
そのとき、そのとき、
「今の自分には、これがいいな」
と思ったものを一つずつ形にしていけばいい。
三逕亭の庭にあった何気ない一本のテーブルも、私の草庵では立派な茶の道具になるかもしれません。
高価な道具も、立派な畳もなくていい。
少額で造り、工夫して楽しむ。
これも私なりの侘び茶です。
目標は、年内完成。
さて、どうなることやら。
ファイト。😊

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