聖書朗読箇所 部族長

まず最初に、今週のパラシャー「マトット(部族・族長たち)」から学んだことがあります。
「できないことは言うな。言ったことには責任を持ちなさい。」
これは、若い頃に斉藤実さんから徹底的に鍛えられた教えです。
当時の斉藤さんはとても厳しく、その教えについていけず離れていく人も少なくありませんでした。「あいつはサドだ」と言う人もいたほどです。
それでも私は、大西洋単独横断レースという目標があったため、斉藤実塾で修行を続けました。
今回、パラシャー・マトットを学び、その教えの原点がトーラーにあることを改めて知りました。
「人は主に誓願を立てたなら、その言葉を破ってはならない。口から出たことはすべて行わなければならない。」
欧米では聖書の教えが社会の土台となっている国も多く、日本以上に「言葉の重み」を大切にする文化があります。
マトットは、約束を守ること以上に、軽々しく約束をしないこと、そして自分の言葉に責任を持つことを教えてくれるパラシャーなのだと感じました。


今週のパラシャーは פרשת מטות(マトット/部族) です。 (民数記 30:2〜32:42)
פרשת מטות(マトット)
ストーリー
モーセはイスラエルの部族長たちに、まず**誓願(ネデル)や誓い(シュブア)**について教えます。
「自分の口で語ったことは守りなさい。」 言葉には責任があり、軽々しく約束してはいけないことを学びます。
続いて、神の命令によりイスラエルはミディアンとの戦いに臨みます。 これは復讐ではなく、偶像礼拝へ誘惑された出来事(バアル・ペオル)の決着でもありました。
戦いの後、戦利品は公平に分配され、一部は神への捧げものとなります。
最後に、ルベン族とガド族、そしてマナセ族の半分がヨルダン川東側に住みたいと願い出ます。 モーセは最初反対しますが、「先に仲間と共に戦う」という約束を受け入れ、その願いを認めました。
ユダヤ人の学び
「言葉は行動である」
ユダヤ教では、言葉は単なる音ではありません。
神が「光あれ」と言われて世界が創造されたように、人間の言葉にも現実を形づくる力があると考えます。
だから約束は慎重にし、した約束は誠実に守る。
タルムードにも、
「人の言葉は、その人自身を映す。」
という考え方があります。
有名なラビの教え
ラビ・ジョナサン・サックス
「人格とは、自分が語ったことを守ることで築かれる。」
信頼は才能ではなく、 小さな約束を守り続けることから生まれると教えました。
無名なラビの教え
ある地方のラビはこう語りました。
「神は失敗した人ではなく、 約束を軽く扱う人を悲しまれる。」
完璧であることよりも、 誠実であろうとする姿勢を神は喜ばれるという教えです。
カバラの教え
カバラでは「言葉」は**マルクト(王国)**の働きと深く結びついています。
マルクトは、内面にある思いや意志を現実の世界へ表す器です。
そのため、軽い言葉は現実を乱し、真実の言葉は世界に調和をもたらします。
また、人が約束を守ることは、上の世界と下の世界を結ぶ「器」を整えることでもあると説明されます。
今日の一言
「言葉は風ではなく、未来への種である。」
どんな言葉を蒔くかによって、人生に実る実も変わっていきます。
PS
茶の湯でも、「一期一会」という言葉があります。 一度交わした約束やご縁を大切にする心は、パラシャー・マトットの「言葉を守る」という教えと、どこか響き合っているように感じます。
今日も、口にする一つひとつの言葉を大切に過ごしたいものですね。 🍵

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