④守破離 茶の湯
🍵 茶道の守破離と、自分の茶の湯
「守破離(しゅはり)」という言葉があります。
これは、茶道の家元制度に入る場合にはしっかりと守らなければならないものだと思います。
型を学び、やがて破り、離れて自由な境地に至る。芸の道では大切な成長の段階です。
けれど、私のように、ただ茶の湯を楽しむ立場——
独服で自分のために一服点てたり、夫婦で茶を点てあったりするような茶の時間に、
この守破離がどこまで必要なのかと、ふと思うことがあります。
⛵ 茶道もヨットも「道楽」だからこそ…
思い出すのは、かつてお茶の先生から聞いた言葉。
「本格的な茶室をつくるには、2億円はかかるよ」と。
ヨットも同じです。海外レースの艇など、1億円以上かけなければ出られない世界もある。
そんな“本格的な道楽”は、私のような現在月収15万円の人間にとっては、天国まで届かない遠い話です。
では、そこまでして本格的な形を目指す意味が、今の自分にあるのだろうか。
そんな問いが、日々湯を沸かしながら、胸に浮かんできます。
🛖 草庵の手作りと、もうひとつの守破離
今、私は自分の手で草庵を作っています。
これは、家元の守破離とは少し違うけれど、私なりの「離」の形かもしれません。
本来なら、形の整った茶室を作るには、流派の決まりごとを理解していなければなりません。
でも、私にはその「型」になじめない部分もある。
そして何より、一緒に仕事をしていた大工さんが亡くなってしまいました。
あの人が生きていれば、一週間もあれば終わっていたであろう工事を、
私は三年近くかけて、独りで進めています。
🧂 情けない。でも、これが自分の道
遅々として進まない日々。
ふと「情けないなあ」と思うこともあります。
「貧乏暇なし」とは、よく言ったものだと苦笑いすることもあります。
けれど、時間がかかっても、
形が不完全でも、
この道のりそのものが、自分の「茶の湯」であり、「守破離」なのかもしれません。