海の上 方舟艇茶の湯
『あたらしい茶道』(松村宗亮 著)を読み、最近ファンです。
YouTubeも参考にしながら、自分なりの稽古を続けています。
この本が教えてくれたのは、茶の基準は「個人の好き」でいいということでした。
昨年の夏、はじめて船の上で点前をし、
一客一亭の茶会を開きました。
釜は政光作の雲龍釜、
茶碗はゴールドの色合いが好きで、ぎやまんの三日月。
水差しはさざなみ、
お菓子は宗家のきんつば。
海の上で囲んだ一服は、まさに一期一会。
同じ景色、同じ風、同じ心は二度と戻らない時間です。
形式にとらわれず、好きなものに囲まれたそのひとときは、
今思い返しても、心に残る、かけがえのない思い出です。
掛け軸ではありませんが、
故 斉藤実 さんのサイン色紙
「死至生道也」 を、心の中に掛けていました。
生きることも、死ぬことも、すべては道の途中。
だからこそ、戻らないこの一瞬を、
ただ味わう――
その思いが、この一服に重なっていました。



