2018年1月21日日曜日

カバラー心理学

「ゾハール」の最も基本的な前提はおそらく、宇宙の万物は絶えず相互に作用しあっており、すべての根底には、それ以上単純化しようのない秩序が存在するということだろう。我々の身に起こることで、無意味なことや偶然に過ぎないことなど何もないと考える。我々が現実と思っているもの(アラン・ワッツがかつて「うち沈んだ月曜日の朝に見る世界の姿」と呼んだもの)は、習慣になってしまっている意識の一領域に過ぎないのだ。『ゾハール」は次のように明言する。
「人はこの世に暮らす間、自分が何に立脚しているかをじっくり考えることも、振り返ることもせず、日々それが無へと消えて無くなったかのように思い込んでいる」と。「ゾハール」はまた、我々が地上で正しく生きて行くには、高次の意識だけでは十分ではないとも強調する。その理由は次章で論じるが、我々が暮らしているのは行動の宇宙であるから、実際に行動することが必要だと教えるのである。このような考え方は、「千里の道も一歩から」といった、老子の説く道家の思想にも通じる。

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バール・シェム・トブが読んだ魔術の本に似ていたので衝動買いしました。
少し読んでみたら、今自分が迷路に入っていた精神のこと、カバラーのことを入門書としてわかりやすく書いてあります。
著者はイエシバー大学の助教授で心理学者、翻訳も二人でして、カタカナは東大のタルムード学者の市川先生、おすすめの一冊です。
帯「カバラーを真の源泉としていたユングじつはカバラーの影響を受けていたフロイト」